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その化粧品、本当に「化粧品」ですか?

化粧品の成分" 海外で輸入したい化粧品を見つけた場合、どんな許可や届出よりも先に判断しておくことがあります。それは、「この商品は本当に化粧品なのかどうか?」ということです。具体的には「日本国内の法規に照らし合わせて、化粧品にあたるものなのかどうか?」「内容物や使用用途から考えて化粧品として輸入できるものなのかどうか?」を確認する作業が必要となります。


化粧品と判断しがちな3つの誤解

  1. 海外で化粧品として販売しているから
  2. 美容の物だから
  3. 他社も化粧品として販売しているから

これらの推測で行動を起こしてしまうのは大変危険です。後々化粧品ではないことが分かったり、医薬部外品、医薬品など別の許可を取得しなければならない事が判明して、これまでの手続きが無駄になってしまう可能性があります。

そもそも薬事法上の「化粧品」とは

それでは法律上の正確な「化粧品」の定義はどうなっているのでしょうか? 「化粧品」を直接規制している法律である薬事法ではこのように定義されています。

薬事法第二条第三項(抜粋)この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。(以下略)

さて、この条文だけでは分かりにくいですし具体的な製品のイメージがつきにくいと思いますので、ここでは判断するための3つの視点をご紹介しておきたいと思います。

化粧品かどうかを確認する3つの視点

1.成分面の確認
化粧品に使用できる成分は、事業者の自己責任において判断していくことになりますが、含まれる割合の上限が決まっている成分、使用が禁止されている成分は化粧品基準(厚生省告示第三百三十一号)で定められています。
また、この基準に記載されていなくても、医薬品や医薬部外品でしか使用を認められていない成分が配合されている場合、化粧品にあたらない事はもちろん、その商品を販売することが薬事法違反になってしまいます。
海外製品を輸入する場合、海外の製造元より成分表を提供してもらい、販売前に確認する必要があります。

2.使用用途の確認
予定している製品が、化粧品に該当する目的、使用方法を前提としているかどうかも重要な判断基準になります。主に「人の身体に使うものかどうか?」「清潔を保つ目的若しくは美化する目的かどうか?」などを検証する必要があります。

化粧品にあたる物の例
人の肌に塗布する方法で使う化粧水など
爪を保護する、美化するために爪に塗るネイルケア商品など


化粧品にあたらない物の例
服用する(飲食する)方法による健康食品など
つけ爪の材料として使い、肌や爪に触れることがない製品など


3.表示する効果効能の確認
化粧品の効果・効能として表記できる文言は、55種類の表現に限られています
(詳しくは広告規制についてのページを参照して下さい。)
また一つの製品でその全ての表現ができるわけではなく、その製品の成分、用途により限られてきますので、実際にできる表現は数種類程度になります。それらを超えるような効果・効能を示す製品であれば、そもそも化粧品に該当しない可能性があります。海外ですでに流通している製品であれば、どのような効果を示しているのかチェックする必要があります。

化粧品にあたる物の例
皮膚を清浄にするための石けん、ボディソープなど
頭皮、毛髪を清浄にする目的のシャンプーなど


化粧品にあたらない物の例
皮膚の疾患などが治るなどの効果を表記した石けん、化粧水など
フケ、カユミを防ぐ、症状を緩和する等を表記したシャンプー、リンスなど


ワンポイント

以上、化粧品にあたるかどうかの主な判断基準をご紹介しましたが、上記の内容以外にも取り扱う製品の特性に応じて個別に判断が必要なことがあります。このページの情報だけで判断せず、最寄りの行政機関に相談しながら慎重に製品化を進めて下さい。またご不明の点は、当事務所までご相談下さい。



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