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ドラッグストアの結界

仕事上、ドラッグストアなんかに行くとついつい化粧品を手にとって、どんな製品か調べたり、裏面や底面の表記を確かめてしまいます。
自分が商品として化粧品を取り扱うわけではないですが、相談者は具体的な商品、それも「これから流行る」ものを企画される方々なので、話を聞いた時にイメージできる程度にはリサーチしておかなくてはならないのです。

問題はドラッグストアの化粧品売場には「結界」が張られているという事です。
「結界」とは何か?

化粧品の売り場ですから当然女性が何人も商品を見てるわけです。
その中にスーツ姿のおっさんが分け入って、それの裏面なんかをじっくり見てるというのは「かなり怪しい」と思われるのではないかという事で、なかなか落ち着いて見てられないという話です。その状況を僕は「結界」と呼んでいます。

先日、ネイルケア商品の表記でどうしても確かめたい事があり、名古屋駅近辺のドラックストアに行きました。そこはチェーンの基幹店で特に海外輸入の化粧品が他の店舗より充実していて、近所の薬局にはないものが置いてあるのです。
商品はひしめく様に置かれ、通路もそんなに広くないので自然と店内は混み合ってきます。目当てのネイル商品の棚にはやはり数名の女性でふさがっていました。
「どうしたもんかなあ」と周辺をウロウロしたあげく、隅の方の商品だけササッと確かめて素早く立ち去るという、かえって怪しい行動になってしまいました。

気にしなければいい話なのかもしれないですが、どうも苦手なんですよね。
ただそんな一見許可申請と関係なさそうな努力?が、思わぬ見落としを防ぐきっかけになった事もあります。
化粧品の表記にはその製品独自の必要事項がある場合があるからです。
それ以外にも、自分が許可申請をした業者さんの商品を見つけるのが楽しみという事もあります。つい自分の手柄のような気分になります。

最近は「結界」対策として奥さんを連れていき、ついでにひと品買わされるという状況になりつつあります。まあ必要経費と考えるしかないですね。

(2010年3月23日 川村浩史)



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